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給与が高い学位と職業:公式データからわかること

更新日 7分で読めます データの利用方針

要点

最も給与が高い職業は、たいてい長く厳しい訓練と、希少なスキルや重い責任を兼ね備えています。医師、歯科医師、法律家、アクチュアリー、ソフトウェア開発者、一部の科学者やエコノミストは、上位に入ることが多い職業です。医学、経済学、数学、コンピュータサイエンスの学位は、大卒者の中でも特に高い収入につながる傾向があります。ただし給与は国、雇用主、専門分野、経験に大きく左右され、高い給与には長い訓練、厳しい競争、過酷な勤務時間が伴うことも少なくありません。

最も給与が高い職業は?

多くの国で、公式の給与データの上位には似たような職業が並びます。医師や歯科医師、法律家、アクチュアリー、上級管理職、ソフトウェア開発者、そして専門的な職務に就く科学者やエコノミストなどです。

これらの職業にはいくつかの共通点があります。長い訓練、免許、あるいは希少なスキルによって参入が制限されていること。人々の健康、多額のお金、重要なシステムに対する責任を伴うこと。そして、そのスキルが多くの雇用主にとって価値があるため、組織を移りやすいことです。たとえばアクチュアリーには高い数学力と数年にわたる専門試験が必要で、物理学者が研究職に就くには通常博士号が必要です。また、エコノミストの仕事の多くは修士以上の学位を求めます。

IT分野は、免許というパターンに関しては部分的な例外です。ソフトウェア開発は適切なスキルがあれば誰にでも開かれていますが、優秀な開発者への需要が経済のほぼすべての部門にあるため、多くの国で給与が高くなっています。

下の表は、米国労働統計局(BLS)の公式データにもとづき、当サイトで紹介している職業のうち、米国での給与の中央値が最も高いものを示しています。米国の給与はほとんどの国より高いため、この表は他の国での自分の給与を予測するためではなく、職業同士を比較するために使いましょう。

CourseToJob掲載職業のうち米国で給与が最も高い職業(2025年5月)出典:米国労働統計局、OEWS。年間賃金の中央値。
職業米国の年収中央値
医師$244,180
物理学者$172,250
歯科医師$170,950
マーケティングマネージャー$166,790
弁護士$159,670
薬剤師$140,910
検眼士$136,570
ソフトウェア開発者$135,980
航空宇宙技術者$134,960
ネットワークエンジニア$134,050
助産師$134,040
獣医師$130,100

最も収入が高くなる専攻は?

給与の高い専門職に直結する専攻や、高度な数量的スキルを身につけられる専攻は、通常、大卒者の収入が最も高くなります。医学と歯学は免許制の医療職につながります。経済学、数学、コンピュータサイエンスでは、金融、IT、コンサルティング、政府機関の雇用主が高く評価するスキルが身につきます。工学や一部の物理系の科学も、良い結果を出す傾向があります。

専攻は要因の1つにすぎません。大卒者の収入は、出身大学、入学前の学校の成績、働く地域、選ぶ業界、フルタイムで働くかどうかによっても左右されます。このようなランキングで上位の専攻を選んでも成功が保証されるわけではなく、下位の専攻が行き止まりというわけでもありません。

大学院での学びが収入を押し上げる度合いは、分野によって異なります。エコノミスト、データサイエンティスト、物理学者の専門職では修士号や博士号が求められることが多い一方、ビジネスやITの分野では、通常、2つ目の学位より経験が重視されます。

下の表は、教育記録と税務記録を結びつけた英国教育省の縦断的教育成果(LEO)データにもとづき、卒業5年後の収入の中央値が最も高い英国の専攻を示しています。英国を取り上げているのは、この種の詳細な公式データを公表しているためです。他の国の中には、卒業生調査から同様の数値を公表しているところもあります。

卒業5年後の収入が最も高い英国の専攻出典:英国教育省、LEO、2023〜24課税年度。年収の中央値。
専攻英国・卒業5年後の中央値
歯学£59,900
医学£56,400
経済学£51,200
化学工学£47,600
獣医学£45,400
電気工学£44,600
薬学£43,900
物理学£43,900
数学£43,600
機械工学£43,600
航空宇宙工学£43,200
生命医科学£42,500

世界的に最も給与が高い職種は?

国同士を比較するため、統計の専門家は国際労働機関(ILO)が管理する国際標準職業分類(ISCO)を使って職業をグループ分けしています。その大分類は、管理職や専門職から、技師・准専門職、事務職や販売職、熟練技能職、機械操作員、単純作業の職業までさまざまです。

専門職のグループには、医師、エンジニア、教員、法律家、ソフトウェア開発者が含まれます。技師・准専門職には、ITサポート技術者やパラリーガルなどの職種が含まれ、その多くは学位ではなくディプロマや職業訓練で就くことができます。

ほとんどの国では、管理職と専門職は他のグループより収入が多く、学位が必要な仕事の大半はこの2つのグループに属します。差の大きさはさまざまです。熟練した技術職や技能職が専門職に近い給与を得ている国もあれば、差が大きい国もあります。

下の表は、ILOの公式データを使って、いくつかの国におけるISCOの主な職業大分類の収入の中央値を比較したものです。

職業大分類別にみた平均賃金との比較(世界)各大分類の月収中央値を同じ国の全雇用者と比べた値について、各国の中央値をとったもの(ILOSTAT)。
職業大分類全雇用者との典型的な差国の数
管理職+95%119
専門職+54%121
技師・准専門職+25%121
事務補助員+6%120
設備・機械の運転・組立工0%120
技能工及び関連職業の従事者-1%121
サービス・販売従事者-17%121
単純作業の従事者-29%121

同じ仕事でも国によって給与が違うのはなぜ?

医師、エンジニア、ソフトウェア開発者の収入は、国によって大きく異なります。国同士を比べるときは、給与の額面をそのまま比べるのではなく、それぞれの仕事をその国の一般的な所得水準と比べましょう。現地の所得と比べて給与が高い職業は、物価がはるかに高い場所で給与額が高い職業よりも、良い選択になることがあります。

違いを説明する要因はいくつかあります。

  • 平均所得:どの仕事の給与も、その国の全体的な所得水準に連動する傾向があります。
  • 生活費:物価の高い都市での高い給与は、家賃などの費用で一部が相殺されます。
  • 雇用主:多くの国では、公共部門の医師、教員、エンジニアは全国共通の給与表にもとづいて支払われ、民間部門の給与は市場に左右されやすくなります。
  • 大卒者の供給:その分野で訓練を受ける人が多い場合、初任給が低くなることがあります。
  • 税金と福利厚生:手取り額、年金、医療保障、休暇は大きく異なります。
  • 通貨:為替レートは変動するため、単一の通貨での比較は誤解を招くことがあります。

高い給与の裏にあるトレードオフは?

平均給与が高い職業には、見落としがちなコストが伴うのが普通です。だからといって給与の高い職業を避けるべきだというわけではありませんが、給与だけでなく、その仕事が自分に合っているかどうかも考えて選びましょう。

給与を理由に職業を選ぶ前に、次の点を確認しましょう。

  • 訓練の期間:医師は通常5〜6年学んだ後、さらに数年間、指導のもとでの研修や専門医研修を受けます。
  • 競争:多くの国で、医学部や歯学部の入学枠、給与が最も高い法律事務所の新人のポストは、非常に競争が激しくなっています。
  • 働きながらの試験:アクチュアリーや会計士は、フルタイムで働きながら数年かけて専門試験を受けることがよくあります。
  • 勤務時間とストレス:給与が最も高い職種の多くは、長時間労働、夜勤、厳しい締め切りを伴います。
  • 移動のしやすさ:免許制の職業は、各国が独自のルールを定めているため、国をまたいで移るのが難しいことがあります。
  • 給与のばらつき:一般的な給与は、メディアで目にする給与額より低く、キャリア初期の給与はそれほど高くないこともあります。

見落とされがちな高給の職業は?

医師や法律家など、高収入でよく知られた職業には多くの志望者が集まります。一方で、学校を卒業する若者にはあまり知られていないものの、似たスキルを使う高給の職業もあります。これらの職業の給与は国や雇用主によって異なるため、働きたい場所の公式データを確認しましょう。

自分の強みに応じて、調べてみる価値のある職業には次のようなものがあります。

  • 数学が得意なら:アクチュアリー、統計家、データサイエンティスト。
  • 科学や工学が好きなら:化学エンジニア、電気エンジニア、地質学者。
  • テクノロジーが好きなら:サイバーセキュリティ専門家、ネットワークエンジニア、データベース管理者。
  • 建設とビジネスに関心があるなら:積算士(クオンティティ・サーベイヤー)、建設マネージャー。

学位を選ぶときの給与データの使い方

給与データは、注意深く読めば役に立つ指針になります。当サイトの各職業ページには、入手できる場合は公式の給与データを、必要な学位やスキルとあわせて掲載しています。

数値を比べるときは、次の点に注意しましょう。

  • 求人広告やSNSではなく、各国の統計局、ILO、政府による大卒者の進路データなど、公式の情報源を使う。
  • ごく一部の高収入者に引き上げられる平均値ではなく、真ん中の人の収入を示す中央値を見る。
  • キャリア初期と中期の収入を比べる。最初は伸びが遅く、後から伸びる分野もあるため。
  • キャリア全体を見る。ほとんどの専門職では、最も高い給与は最初の仕事ではなく、長年の経験を積んだ後に得られる。
  • 自分が働くつもりの国のデータを確認する。
  • 就いた後の給与だけでなく、その職業に就ける可能性も考える。
  • 給与データは過去を表していることを忘れない。スキルへの需要は変化し、AIや自動化はすでに一部の高給の仕事を変えつつある。

よくある質問

最も給与が高い学位は何ですか?

専攻別の大卒者の収入を公式に公表している国では、通常、医学と歯学が最上位かそれに近い位置にあり、経済学、数学、コンピュータサイエンス、工学などが続きます。ただし、順位は国、大学、卒業後の年数によって変わります。同じ専攻の卒業生の間の差が、専攻間の差より大きいこともあります。

学位がなくても給与が高い職業は何ですか?

給与が高い職業の中には、通常は学位を必要としないものもあります。航空会社のパイロットは認可を受けた航空学校で訓練を受け、学位ではなく免許と航空身体検査証明が必要です。電気工事士などの熟練技能職は、資格を取得すれば、特に独立した場合に高い収入を得られることがあります。一部のIT職や営業職も、スキルで採用しています。ただし、これらのルートでも本格的な訓練が必要で、中には訓練費用が高額なものもあります。

給与だけを理由に学位を選ぶべきですか?

給与を考慮するのは賢明ですが、給与だけで選ぶのはリスクがあります。自分の興味や強みに合った専攻のほうが、卒業まで続けやすく、良い成績も取りやすくなります。そして、どの分野でも最も良い仕事に就くには、優れた成績が重要です。楽しめる専攻をいくつかに絞り込み、公式データを使ってその進路を比較するのがよい方法です。

このページではなぜ米国と英国の給与データを使っているのですか?

米国と英国は、職業別・専攻別の詳細な公式給与データを定期的に更新して公表しており、明確な比較が可能です。ただし、これらの数値は他の国の給与を表すものではありません。そのため、このページでは多くの国の職業大分類を比較したILOのデータも掲載しています。自国の数値については、各国の統計局で確認してください。

このガイドで取り上げた職業

  • 医師

    医師は病気やけがを診断・治療し、病気の予防を助け、患者の診療を導きます。ほとんどの国では高校卒業後すぐに医学を学部専攻として学びますが、米国とカナダでは学士号取得後に医学部に進みます。医師は病院、一般診療所、地域のクリニック、研究、公衆衛生の分野で働いています。

  • 弁護士

    弁護士は、個人、企業、政府に法的な権利や義務について助言し、法的文書を作成し、交渉や裁判で依頼人を代理します。ほとんどの国では法学を大学の最初の学位として学び、その後専門試験や研修を経ますが、米国では法学は大学院レベルの学位です。弁護士は法律事務所、企業、政府機関、非営利団体で働いています。

  • ソフトウェア開発者

    ソフトウェア開発者は、コンピュータやスマートフォン、ウェブサイト、機械上で動作するプログラムやアプリを設計、構築、テストし、保守します。多くはコンピュータサイエンスや関連分野の学位からスタートしますが、多くの国の雇用主は、コーディングの実力を示せる人であれば、ブートキャンプや職業訓練、独学出身の人材も採用しています。

  • アクチュアリー

    アクチュアリーは、数学、統計学、金融理論を使って、特に保険、年金、投資分野のリスクを測定・管理します。ほとんどは数学、アクチュアリー科学、統計学など数的要素の強い分野の学位を持ち、そのあと働きながら長い一連の専門試験に合格します。保険会社、コンサルティング会社、銀行、政府機関、規制当局で働いています。

  • 物理学者

    物理学者は、微小な粒子から宇宙全体まで、物質、エネルギー、力、自然法則を研究します。実験、数学、コンピュータモデルを用いて疑問に答え、レーザー、センサー、半導体、医療画像といった技術を開発します。研究職の物理学者のほとんどは博士号を持ち、大学、国立研究所、政府機関、テクノロジー・エネルギー・医療関連企業で働いています。

  • エコノミスト

    エコノミストは、人、企業、政府がどのように資源を利用しているかを研究し、データを分析して経済成長、物価、雇用、貿易といった動向を説明し予測します。経済学または関連分野の学士号が少なくとも必要で、修士号や博士号を求められる仕事も多くあります。エコノミストは政府機関、中央銀行、国際機関、銀行、コンサルティング会社、シンクタンク、大学で働いています。

このガイドで取り上げた専攻

  • 医学

    医学の学位課程では、病気を診断し、治療し、予防するための訓練を受けます。医科学の学びと、病院や地域での指導の下での臨床実習を組み合わせるのが特徴です。卒業生の多くは、さらに研修を受けて医師免許を取得し、医師になります。公衆衛生、疫学、医学研究、大学での教育の道に進むこともできます。

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  • 経済学

    経済学の学位では、人、企業、政府が限られた資源の中でどのように選択するのか、そして市場、お金、政策が雇用、物価、経済成長にどう影響するのかを学びます。数学、統計学、データを使う学問です。卒業生はエコノミスト、財務アナリスト、データアナリスト、経営コンサルタント、政策担当者、アクチュアリーになり、銀行、政府機関、国際機関、企業で働いています。

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  • 数学

    数学の学位では、代数学や解析学などの純粋数学と、統計学、数理モデリング、計算などの応用分野を通じて、高度な論理的思考力と問題解決力を養います。身につけたスキルは金融、テクノロジー、科学、行政の分野で幅広く活かされており、卒業生はアクチュアリー、統計専門家、データサイエンティスト、金融アナリスト、ソフトウェア開発者、教員などになることが多くあります。

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  • コンピュータサイエンス

    コンピュータサイエンスの学位では、プログラミングやアルゴリズムからネットワーク、人工知能まで、ソフトウェア、データ、コンピュータシステムの仕組みを学びます。卒業生の多くはソフトウェア開発者、データサイエンティスト、サイバーセキュリティの専門家、ITコンサルタントになり、そのスキルは世界中のほぼすべての業界で活かされています。

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出典

  1. U.S. Bureau of Labor Statistics — Occupational Employment and Wage Statistics
  2. UK Department for Education — Graduate labour market outcomes (LEO)
  3. ILOSTAT — Median monthly earnings by occupation

このページの引用方法: CourseToJob (2026). 給与が高い学位と職業:公式データからわかること. https://coursetojob.com/ja/guides/highest-paying-degrees-and-careers/ (2026年9月26日閲覧)

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